生活習慣病の種類と定義

生活習慣病は食生活や睡眠、運動不足など生活習慣の乱れによって引き起こされる疾患を指します。生活習慣病と呼ばれる主な疾患は、以下のとおりです。

• 高血圧
• 糖尿病
• 脂質異常症
• 狭心症
• 心筋梗塞
• 高尿酸血症

企業健診を適切かつ定期的に実施することで従業員の健康を管理し、生活習慣病対策につながります。

健康診断の実施は企業の義務

労働安全衛生法で規定された企業の健康診断には、一般健康診断と特殊健康診断があります。このうちすべての企業に義務づけられているのが一般健康診断です。企業には一般健康診断を従業員に受けさせる義務があり、違反すると50万円以下の罰金が科せられます。また、刑罰こそありませんが、従業員にも企業健診を受ける義務がありますので注意が必要です。

企業における健康診断の流れ

指定医療機関での健康診断の実施には、以下の手順があります。総務・人事担当者は把握しておきましょう。

• 実施日程、対象者を決定する
• 補助申請の条件を確認する
• 対象者へ健診内容を通知する
• 日程の希望をまとめる
• 予約する
• 指定医療機関から健診結果を受け取る
• 健診結果を個別に通知する
• 健康診断個人票を管理する

原則として企業健診は1年に1回（夜勤従業員などは6ヶ月に1回）の実施が義務化されているため、毎年実施期間を設けて一括で予約すると効率的です。健診が混み合わない時期を選ぶなどの工夫をすると、従業員は健診を受けやすくなります。

企業健診の場合、健康保険組合・協会けんぽの補助金を利用することで費用負担を軽減できます。対象者や診断項目など、協会けんぽの詳しい補助要件をあらかじめ確認してください。

企業健診で重要なのが日程の希望調査です。従業員のスケジュールを把握し、全員が参加しやすい日に設定すれば予約と実施がスムーズです。業務時間内に健診を行う場合は複数部署の業務状況を取りまとめ、支障が出ないタイミングをヒアリングする必要があります。健診の予約および実施は主に総務・人事の担当ですので、全体のスケジュールや業務状況の把握が大切です。

企業健診後の注意事項

健診結果を従業員に速やかに通知し、健康指導につなげることが企業健診の本来の目的です。総務・人事担当者や上司、産業医や従業員本人が健康上の課題を共有することで指導の効率が高まります。

健康管理の指導においてネガティブな声かけはおすすめできません。結果がよくなかった従業員に対して不安をあおるような言葉をかけると、健康管理だけでなく仕事のモチベーションが下がってしまいます。また、健診結果を人事評価と結びつけるのはパワハラに近い行為のため厳禁です。

健診内容に問題が見られなかった従業員に対しても、生活習慣病対策の知識や理想的な健康習慣を周知徹底することで、継続的な健康管理につながります。

健診を拒否する従業員への対応

企業健診の受診は従業員の義務です。ただし、やむを得ない理由から健康診断を拒否する従業員に対して企業は以下の対応を取る必要があります。

• 健診義務の周知
• 日程の調整

従業員が健診を拒否する場合、企業健診の義務化について把握していない可能性があります。日頃から社内広報や一斉メールを活用し、健康診断の意義や健康意識を高める取り組みを行ってください。